今年の夏は最低気温が30°を超えるという異例な猛暑日になっております。コロナの影響でマスクをしている中、熱中症にならないための対策が必須となってきます。
熱中症は高温多湿な環境に私たちの身体が適応できないことで、生じるさまざまな症状の総称です。夏は気温とともに体温も上昇するので、身体は発汗によって体温を下げようとします。その汗には水分だけでなく塩分も含まれており、この両方が失われることで脱水症になります。この脱水症を放っておくと熱中症、熱射病へと症状が移行します。
脱水症とは
水と電解質(塩分が水に溶けると電解質になります)で構成される体液が汗で失われ、その補給ができていない場合に生じます。脱水症になると血液の量が減り血圧が低下。必要な栄養素が身体に行き渡らなくなり、不要な老廃物を排泄する力も低下します。また、食欲不振などの原因にも繋がります。さらに骨や筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、指がしびれたりの症状が起こることもあります。脱水症が熱中症のさまざまな症状を誘発します。
熱中症とは
気温の高い環境で生じる健康障害の総称です。体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。
◯重症度1度
めまい・立ちくらみ・こむら返り・大量の汗
☆対処法
涼しい場所へ移動・安静・水分補給
◯重症度2度
頭痛・吐き気・体がだるい・体に力が入らない・集中力や判断力の低下
☆対処法
涼しい場所へ移動・体を冷やす・安静・十分な水分と塩分を補給。
症状が改善されれば受診の必要ないが、水分を自力で摂取できない場合や症状に改善が見られない場合は受診が必要。
◯重症度3度
意識障害・けいれん・運動障害
☆対処法
涼しい場所へ移動・安静・身体が熱ければ冷やす。ためらうことなく救急車を要請。
そしてよく混同されやすい熱射病ですが、これは熱中症のひとつです。脱水症がすすみ体温を調節する働きが追いつかなくなることで40℃を超える高体温になり、脳の体温調節中枢機能が麻痺して起こります。意識障害やショック状態になることもあり、熱射病がもっとも危険で死亡することもまれではありません。
熱中症は炎天下特有のものではなく、湿気の多い時期や曇りの日、日中だけでなく夜間、屋内でも起こる可能性があります。温度が高い、ムシムシする、日差しがきつい、風がない、急に暑くなったなど、体内の熱を体外にうまく放出できず身体を冷やせない状況にあるときは、どんな時、どんな場所でも注意が必要です。
そして、汗をかくことでカリウムも失われています。カリウムは細胞内液に多く含まれており、失われると細胞内が脱水症状になり、細胞内脱水は熱中症になってしまった際の回復に影響を与えます。ナトリウムを排出する働きのあるカリウムですが、汗をかいた時に実は意識して摂りたい栄養素のひとつなのです。海草類や果物、豆類などに多く含まれています。
室内では無理はせず、扇風機やクーラーを活用し、適度な気温、湿度を保ちましょう。もし外出先などで体調に異常を感じたら、風通しのよい日陰や、クーラーが効いている室内へ。きついベルトやネクタイはゆるめ風通しを良くし、身体からの熱の放散を助けます。皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などであおぎ、身体を冷やすのも方法の一つです。いかに早く体温を下げることができるかが悪化させないポイントです。
今のうちからの熱中症対策が必要です。
充分水分をとって無理なく夏をすごしてくださいね。
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